南蛮系宇宙論の起源★クラヴィウス『サクロボスコ天球論註解』1585年刊/耶蘇会教科書「天球論」/フェレイラ『乾坤弁説』/マテオ・リッチ

商品名

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商品説明
クラヴィウス
『サクロボスコ天球論註解』
ローマ；ex officina Dominici Basae、1585年刊

著者のクラヴィウス（1537‐1612）はドイツ生まれのイエズス会士。コレッジョ・ロマーノの学頭として、グレゴリオ暦策定の原動力として働き、ガリレオの友人でもあった当代随一の天文学者で碩学。

こちらは、中世・ルネサンス期ヨーロッパでもっとも広く普及した天文学の初等教科書であるサクロボスコ（Joannes de Sacrobosco， 13世紀活躍）著『天球論』に註解を施したもので、初版は1570年刊。

日本に渡ったイエズス会宣教師ゴメス（1535-1600）は、この書をもとにイエズス会日本コレジヨの教科書『講義要綱』第一部「天球論」をラテン語（邦語版は1595年完成）で作成しました。日本へプトレマイオス宇宙論が紹介された最初と考えられています。

さらに、転びバテレンになったクリストヴァン・フェレイラ（沢野忠庵 1580頃-1650）が、天文学書『乾坤弁説』を作る際に用いた種本の一つもこの書と推定されています。

さらに、イタリア人イエズス会士で元和の大殉教で殉死したカルロ・スピノラ（1564-1622）はクラヴィウスに師事しています。中国で宣教したイエズス会士マテオ・リッチ（利瑪竇1552-1610）もクラヴィウスの教え子で、中国に西洋天文学を導入した『乾坤体義』はこの書の要約だそうです。

東西文明の知的交流に多大な貢献をなした名著中の名著です！！！

全文はこちらで公開されています。
https://catalog.hathitrust.org/Record/009287417

装丁はおそらく19世紀以降の背革装。外装の状態は、革の虫損。見返しに虫損。序文冒頭と巻末のレジスターに印。本文は、巻頭３葉、巻末約２０葉に水濡れ。薄いシミがありますが、総じて良好です。裁断ミスの耳が何箇所かあります。完本です。

Christopher Clavius， Commentarius in Sphaeram Joannis de Sacro Bosco 一五七〇年から一六〇八年までローマで五版、ヴェニスで五版、リヨンで二版出版された。グレゴリオ暦の功績はいう迄もないが、ケプラー、ガリレオからも高く評価され、ガリレオとの交友は終生変わらなかった。教育者としてのすぐれた天賦はマテオ・リッチを産み、リッチをして単なる謙遜からだけでなく「支那では私のことを科学の天才と呼んでいるが、私は常にクラヴィウスの労作の範囲を出なかった」と言わしめた程である。・・・利瑪竇の「乾坤体義」はこのクラヴィウスのサクロボスコの要約である。（尾原悟「キリシタン時代の科学思想－ペドロ・ゴメス著「天球論」の研究－」『キリシタン研究』第10輯， p.162）

Clavius（1537～1612）はドイツ出身の数学者・天文学者。イエズス会士で、最高教育機関コレッジョ・ロマーノの学頭となった当代随一の碩学であり、世に名高いグレゴリオ改暦の提案者であった。前記リヨン版で590ページ。小文字ながらぎっしりつまった大著で、この時代の天文学百科事典でもあった。そして17世紀に中国や日本にイエズス会士を介して、西欧天文学が移入された場合、彼らの教育の総本山であるローマ学院の学頭の著したこの書は、宣教師たちにとってはいわば天文学の『聖書』であった。（http://library.nao.ac.jp/kichou/imai3.html）

クラビウスChristoph Clavius 1537‐1612
ドイツ生れ，イタリアの数学者，天文学者。イエズス会の司祭。ポルトガルのコインブラ大学で学び，1565年コレージュ・ロマーノの数学の教授に就任。〈16世紀のユークリッド〉というあだ名がある。1574年，ユークリッドの《ストイケイア》のラテン語訳の校訂出版を行った。また，《サクロボスコ天球論注釈》(1581)を著した。さらに，ユリウス暦の改暦に当たっては中心的な働きをし，グレゴリオ暦策定の原動力となった。G. ガリレイの友人でもあり，自らはプトレマイオス説にくみしながらも，ガリレイの理解者の一人でもあった。
　クラビウスに直接ローマで学んだマテオ・リッチは，クラビウス版の《幾何原本》の大綱を中国に伝え，また日本に渡ったイエズス会司祭の一人 P.ゴメスは，クラビウスの《天球論注釈》を基に，教科書を編んだ(邦語版は1595年完成)が，これが日本へプトレマイオス説が紹介された最初と考えられている。（世界大百科事典 第２版）

中国での宣教で有名なマテオ・リッチはローマ学院での教え子であり、中国渡来後、師のクラヴィウスに天文学の著作を求めてきた。これに答えたクラヴィウスは自著『アストロラビウム』（Astrorabium）を贈った。後にこの書物は李之藻により漢訳されて『渾蓋通憲図説』と呼ばれることになる。

日本では、転びバテレンになったクリストヴァン・フェレイラが、天文学書『乾坤弁説』を作る際に用いた種本の一つが、クラヴィウスの『サクロボスコ天球論注解』(In Sphaeram Ioannis de Sacro Bosco commentarius) と推定される。（wiki「クリストファー・クラヴィウス」より）

ゴメス
没年：慶長5.1.7(1600.2.21)
生年：1535
イエズス会準管区長。スペインのアンテケラ生まれ。1553年イエズス会に入会。ポルトガルのコインブラ大学に学び，のちに哲学と神学の教授となる。インドを経て1581年マカオに到着。天正11(1583)年6月7日来日。同18年，日本準管区長に就任し，文禄2(1593)年，コレジョ(学院)における教科書として，『天球論』『霊魂論』『カトリック教理要綱』の3部からなる著作をラテン語で完成した。このうち『天球論』は，西洋科学を紹介し日本にアリストテレス的世界観を伝えた最初の著作である。一方，マニラから来日したスペイン系托鉢修道会修道士に援助を与え布教を助けた。長崎で死去。（朝日日本歴史人物事典 「ゴメス」の解説）


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書名：CHRISTOPHORI CLAVII BAMBERGENSIS EX SOCIETATE IESU IN SPHAERAM IOANNIS DE SACRO BOSCO COMMENTARIUS
著者：Christophorus Clavius
出版社：Romae : ex officina Dominici Basae
出版年：1585
言語：ラテン語
ページ数：[29]， 484p.
サイズ：22x16.5cm
状態：商品説明を御覧ください

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